研究課題/領域番号 |
15K12457
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
埴淵 知哉 中京大学, 国際教養学部, 准教授 (40460589)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 地理学 / 科学計量学 / 書誌情報 / 引用 |
研究実績の概要 |
本研究では、自然から人文社会まで幅広い分野を含む地理学を対象に、主として科学計量学的な手法に依拠しながら、その知識生産の歴史と構造を明らかにすることを目的としている。本年度は、科学計量学的な分析に利用するためのデータベース作成を進めるとともに、作成済みのデータの一部を用いた基礎的な分析結果の論文化を進めた。データベース作成においては、日本の地理学における代表的な学術誌である『地理学評論』を中心に、論文およびそこでの引用文献、そして著者の情報を収集した。1980年以降については、概ねこれらの収集とデータクリーニングが完了した状態にある。このうち、論文と著者に関する基礎的項目を用いて、論文および著者の属性の変遷を数量的にまとめた分析結果を論文にまとめた。同論文では、著者の年齢・性別や所属機関、また論文の種別・分野や共著かどうかといった多くの項目で、過去30年余りの間に有意な時系列変化がみられることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の計画の柱は、科学計量学的な分析に利用するための情報を収集し、データベースを作成することであった。中心的な雑誌についてはすでにデータ作成・クリーニングを終え、その一部を利用した分析まで進めている。一方で、特に引用文献のデータ収集・整理に関して、全数を対象とすることが時間的・費用的に困難であることも判明したため、データベースの収録範囲を当初計画よりも縮小することになった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、論文および引用文献のデータベース作成を進め、可能な部分から適宜分析をおこない論文化も進めていく。進捗状況欄に記入したとおり、現在中心的な雑誌で実施している水準のデータ作成を全ての年次や他誌に等しく広げることは困難であるため、これらについては全数ではなくサンプリングによって対処する予定である。今後の分析としては、とくに学際的研究に注目して、自然と人文の融合的位置にある論文の特定およびその特徴、またその時系列的変遷などを明らかにしていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
膨大なデータ収集・入力に際して、アルバイト雇用による謝金を多く予定していたものの、想定よりも人手が少なかったことによる。
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次年度使用額の使用計画 |
引き続きデータ収集・入力およびクリーニング作業を進めるが、学内でのアルバイト雇用が難しい場合には、企業への委託を増やして対応する。
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