研究課題
平成27年度および28年度に実施した内容をベースに、実海域での船舶性能データをもとに荒天航海時の船速低下ならびに主機運転特性に関する研究を以下の通り進めた。平成27年度の成果にて荒天時の船速低下に関し、主機を自動制御したと仮定したケースでの数値計算を可能としているが、実際には主機の状態をモニタリングしながら危険状況に応じて適宜対応している点についての状況調査をまず実施した。方法として船会社の機関士を対象に、荒天航海時の対応状況に関するアンケート調査を実施、約70件の回答を得た。これより、荒天時には主機の排気温度、掃気圧力、過給器回転数、その他複数のパラメーターをモニタリングし、それぞれが設定した閾値を超えないよう、主機への燃料投入量を手動で調整するなど行っていることが明らかとなった。これをもとに28,000DWTばら積み貨物船にて計測された荒天航海時の主機、過給器関係の計測データを整理分析し、船体に生じる鉛直加速度や海水打ち込みの確率など従来指標との比較を行った。この結果、荒天時には大きな変針を伴わない場合においても操舵量が大きく増大し、主機出力、燃料消費量も2分程度の周期でこれに連動して強い周波数応答が見られる。また、周期10分程度のところにもピークが存在し、主機の過負荷を防止するために人為的に燃料投入量を操作した影響と考えられ、アンケート結果ともほぼ一致することがわかった。これをもとに今後、荒天航海時の船速低下を再現できる数理モデルを構築、現在のウェザールーティングに連携することにより精度向上を図る基礎資料が構築できた。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件)
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