高知市の市街において,都市域における花粉堆積様式と衣服への花粉付着様式に関する基礎研究を行った.都市緑地の土壌表層では丘陵地から飛来する局地外の樹木花粉が多産するものの, その花粉組成は緑地内の植栽樹木・草本の植被割合,土壌pHおよびシルト含量で概ね説明できる,空中花粉は開花期をピークとして衣服に多量に付着するものの,開花期後に二次飛散したものも相当量,付着する,植栽樹花粉の衣服への付着様式は花の構造や花粉形態に影響を受け,付着花粉は手で払っても雨にさらしても完全に除去できないことなどが分かった.本研究は,法花粉学的検査の方法論や検査データの科学的解釈法を構築する上での基礎情報となる.
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