タンカー座礁や石油掘削施設の事故で海洋に流出した大量の石油が,風波によって拡散することを防止するため, 重力流で漏油を取り囲むハイドロ・バリア・システムを開発した.システムを最も効率よく活用するため,さまざま状況における成層流体中での重力流の相互干渉について実験と計算によって調べた.重力流が2層間を貫入するとき,それによって引き起こされた界面における内部波によってその先端部が次々に分割される場合があり,その時同時にその運動エネルギーが内部波の発生に奪われることが明らかになった.その結果,このタイプのシステムが油漏れ事故の際に環境被害を最小限に抑える初動対応として有効であることがわかった.
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