我々は厳冬期の避難所について評価・検証・開発を行った。外気温が氷点下15℃前後のとき,体育館内の気温は0℃前後,床面はさらに2℃低く推移した.この環境では多数の低体温症を発症する可能性が示された.開発したシェルターを外気温氷点下17℃の厳冬期に無暖房で運用した結果,シェルター内は体温のみで加温され,約4℃で推移した.無暖房であったため,二酸化炭素の上昇はごくわずかであり,社会環境基準を満たす濃度であった.睡眠調査では寒さによる覚醒が40%を超えた.また低温による血圧の顕著な上昇も確認された.適切な暖房方法の開発が急務であるとともに,避難所環境のアセスメントを実施することが災害時に必要である。
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