研究課題/領域番号 |
15K12519
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
高松 哲郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40154900)
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研究分担者 |
原田 義規 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10381956)
南川 丈夫 徳島大学, 大学院理工学研究部, 講師 (10637193)
熊本 康昭 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30611727)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ラマン散乱分光 / 分子イメージング / バイオイメージング |
研究実績の概要 |
蛍光およびラマン散乱のプラズモン増強を日常的な分析方法に導入するため、光増強基盤を用いた細胞・組織イメージングの開発を行った。つまり、表面増強現象が近接場near-fieldでしか生じないという性質はその用途の可能性を決定的に制限するため、この制限を克服する目的で粒子の表面プラズモンとバルク材料中の分子との間の共鳴カップリングを伝達することによって遠視野far-fieldプラズモン増強を試みた。 まず、このプラズモン増強が、厚さ100nm以上の柱状構造のシリカ膜で保護されたAgナノ粒子島によって生じ、バルクフィルム内において数10mΩの距離で共鳴カップリングの移動が起こることを確かめた。 生体組織の解析アルゴリズムの開発を行った。平成27年度の成果により明らかなように,通常のラマンスペクトルと本手法で得られる生体組織のラマンスペクトルに相違が見られたので、各組織を特徴づけるラマスペクトルの検討を行い,それらを効果的に判別するアルゴリズムの検討を行った。その結果,ラマンスペクトルの指紋領域(-2000 cm-1)において,神経組織,筋組織,結合組織,脂肪組織等で特徴的なラマンバンドを見出すことに成功した。これらの違いが顕著な領域を関心領域とし,主成分分析などの多変量解析を行うことで,各組織を選択的にイメージングできることが明らかとなった。次に,生体組織のex vivoイメージングを行った。試料には,ラットから採取した心臓組織,および胃組織を用いた。その結果,ex vivo環境下でも組織からの増強されたラマンスペクトルを得ることができた。 以上のことから,本研究では光増強基盤を用いた細胞・組織イメージングの基礎的検討を行い,その測定方法,解析アルゴリズム等を確立することができた。
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