研究課題/領域番号 |
15K12526
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
小西 聡 立命館大学, 理工学部, 教授 (50288627)
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研究分担者 |
藤田 卓也 立命館大学, 薬学部, 教授 (00247785)
服部 浩二 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, 助教 (60409670)
河野 裕允 立命館大学, 薬学部, 助教 (60732823)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ナノバイオシステム / マイクロマシン / 薬効評価 |
研究実績の概要 |
本研究では、工学(MEMS)研究者と薬学研究者が連携し、薬効評価のための『開閉能を有した管状人工消化管(腸管)マイクロマシン』の実現に取り組んでいる。 創薬研究における培養細胞組織の活用は、iPS細胞研究の躍進もあり、さらに重要性が増している。このような中、本研究では消化管での薬剤吸収に着目し、管状人口消化管マイクロマシンの実現を目指している。 ディッシュ上やマイクロウェル内での培養細胞組織を用いる手法よりもさらに生体に近い形態実現に取り組んでいる。具体的には、バイオ技術と整合性の高いMEMS技術を活用し 人工消化管マイクロマシンとして人工腸管の実現を目指す。人工腸管の円管形状の形成、開閉機能の付与、培地や薬剤の潅流機能を設計実現する。MEMS技術により実現する細胞培養基材構造は、平板形状と円管形状を可逆的に変換可能であり、潅流時と観察時に切り替え可能とする。実現した人工消化管による薬剤効果評価を実施し基盤を整え、将来の幅広い応用展開を目指している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今期目標としていた、細胞培養基材構造の実現、実現した基材構造上での細胞培養ができている。基材構造は、MEMS技術により開閉能を付すことに成功し、平板構造を円筒形状に変形させ、また平板構造に戻すことに成功している。さらには潅流系も試作し、薬剤の吸収能評価試行、評価にも成功している。これらの成果は学術論文にも採択発表しており、今期の設定課題は順調に取り組めたと評価する。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は当初計画にのっとり、管状人口消化管マイクロマシンの基本機能、細胞培養、潅流機能、さらには、薬剤の吸収能評価について実施、初期評価まで進んでいる。今後は、マイクロマシンについては、製作の歩留まり向上や性能の信頼性向上等に向けた課題の検証と解決を進める。さらに2年目に計画している周辺機構を含めたシステムとしては、潅流系を中心に、計測系を含めた充実を図る予定である。出口となる薬剤評価については、吸収特性の異なる薬剤の評価などを通して、応用ニーズを踏まえた評価研究を進めていく。
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