研究課題/領域番号 |
15K12530
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
佐藤 智夫 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, 専任研究員 (10242918)
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研究分担者 |
千葉 敏雄 日本大学, 総合科学研究所, 教授 (20171944)
宮本 義孝 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 細胞医療研究部, 共同研究員 (20425705)
黒川 量雄 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究領域, 専任研究員 (40333504)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 胎児治療 / 遺伝子導入 / ソノポレーション / 超音波 / マイクロバブル / 実験計画法 / 高感度高速共焦点顕微鏡 |
研究実績の概要 |
先天性代謝異常は遺伝子の異常により特定の酵素が正常に機能しない,あるいは酵素自体が欠損している病態であり,我々は胎児期に目的遺伝子を標的臓器に導入することにより,治療することを目指している.遺伝子導入のリスクを下げるために,非ウイルス性ベクターを遺伝子キャリアとして用いようとしているが,遺伝子導入率はウイルスベクターに比べ低く,それを補うためにマイクロバブル存在下で超音波照射するソノポレーションを用いる.本研究では,より効率的なソノポレーションを実現するために,超音波照射条件の探索,ソノポレーションのメカニズム解明のための細胞膜動態観察を行った. 【超音波照射条件】 実験計画法を用いて最適な超音波照射条件を探索した.遺伝子の導入効率は①超音波照射強度及び②細胞培養プレートとトランスジューサの距離に影響されることが示された. 【細胞膜動態の観察】 細胞培養プレート底面に生着した培養細胞(HepG2)に関して,ソノポレーションにより生じる現象を超高感度高速共焦点顕微鏡にて観察した. ◆低分子量のPI(Propidium Iodide)の場合 PIは死細胞染色色素であり,生細胞の細胞膜を透過しないが,マイクロバブルを含む培養液中で超音波を照射した直後に,培養液中にPIを付加し蛍光画像観察を実施したところ,PIの細胞内への流入が確認された. ◆分子量が大きいプラスミドDNA(pEGFP-N3)の場合 プラスミド及びマイクロバブルの存在下で超音波照射した場合には,細胞内に導入されGFP遺伝子発現が生じた.一方,マイクロバブルのみの存在下で超音波照射した後にプラスミドを付加した場合には,GFP遺伝子の発現はなく,プラスミドは細胞内に導入されなかった.現在,超音波照射中の動態の撮影と画像解析中である.
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