本研究では、動脈瘤内部に塞栓物質を充填させて瘤の破裂を防ぐ、「塞栓術」と呼ばれる血管内治療法において、従来の金属コイルに代わる液体の光硬化樹脂を用いた「光塞栓術」の開発を試みた。安全かつ効率的な塞栓のための必要条件として、カテーテルから注入した塞栓材の引き戻しや、血流による塞栓材の下流への流出防止などの流体力学的検討と、塞栓材の光硬化を制御するための光学的、光化学的設計を行った。今後は、様々な瘤のサイズや形状に対応できる汎用性の獲得と、画像診断装置を用いた実際の手術における造影環境下での実現を目指す。
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