人工的に構築したベシクル中に酵素を封入し、生体内で有害物質を分解し続けることで治療効果を得る酵素補充療法は副作用の著しく低い薬剤送達システムとして注目を集めているが、血流中という厳しい環境で機能するシステム開発はチャレンジングなテーマである。本研究では、急性リンパ性白血病の治療薬であるL-アスパラギナーゼを、申請者らが開発したポリイオンコンプレックス型ベシクルに封入し(ASNase@PICsomes)、血流中における「酵素の反応場」としてASNase@PICsomesが有用であることを、詳細な物性評価及びin vivoにおける機能評価をとおして実証することに成功した。
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