重症心不全に対する安全で高効率な遺伝子治療を可能にするため、不全心で発現上昇するHB-EGFに対する抗体を用いた抗体核酸複合体を開発した。インフルエンザヘマグルチニン由来pH依存的膜融合ペプチドと、エンドソーム局在プロテアーゼカテプシンの認識ジペプチドから成るポリペプチドをリンカーとしてsiRNAを抗体に付加することで、標的細胞内へデリバリーされたsiRNAが高率にエンドソームからエスケープし、高い遺伝子ノックダウン効率を示すことが明らかとなった。また、不全心におけるHB-EGF抗体薬物複合体の標的細胞が、線維芽細胞である可能性が示唆された。
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