研究課題
前年度に試作したVEPパッドのLEDを個別に点灯制御する回路およびプログラムを試作し、視野の半側領域のみに投光する手法を健常被験者において検証した。結果、瞳孔位置直上のLEDより視野外側に1cm離れたLEDを発行させることで、対側の一次視覚野を同側より高い強度で賦活でき、半側視野刺激の実現可能性を明らかにした。同様にチェッカーボード様の発光パターンを提示し、それらの発行パターンを反転させることでパターンリバーサル刺激を提示するプログラムを開発し、健常者試験において効果を検証した。しかし、一部の被験者において通常のフラッシュ刺激より高い誘発電位を示す例があったものの、全被験者を通じて一貫した有意差は認めるまでには至らなかった。さらに、試作VEPパッドの臨床応用を目的に、専用の回路およびプログラムを必要とせず、臨床用脳波計および刺激装置と直接接続してVEPパッドを駆動することが可能な構造をもつ臨床用VEPパッドを試作した。具体的には、臨床用刺激装置の出力信号とVEPパッドとを中継する導電パターンのみの中継回路を挿入し、その中継回路と刺激装置との接続端子を刺し換えることによりVEPパッドの所望の領域のLEDを発行させる設計とした。それらを用い実際に手術室に設置されている装置と接続し動作確認を行った結果、特殊なプログラムや能動回路を使わずにVEPパッドの所望領域のLEDを点灯させることが可能であることを明らかにし、より安全に臨床研究に移行する手法を実現した。
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自動車技術会論文集
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IEEE Transactions on Biomedical Engineering
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10.1109/TBME.2015.2512276