研究課題/領域番号 |
15K12565
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究 |
研究代表者 |
石原 美弥 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他部局等, 教授 (30505342)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 検査・診断システム / 変形性関節症 / 関節鏡 / ナノ粒子 / 摩擦係数 |
研究実績の概要 |
初年度として,プラズモン効果の確認をするために,カチオン性有機配位子保護金ナノ粒子として,カチオン性高分子(ポリ(塩化ジアリルジメチルアンモニウム)(PDDA)で保護した14.6 nmの金ナノ粒子(ゼータ電位ζ = +41.6 mV@pH7.3),より生体親和性の高いカチオン性高分子としてポリ-L-リジン臭化水素塩(PLL:分子量4000~15000)で保護した9.7 nm(ゼータ電位ζ = +32.5 mV@pH7.2),アニオン性有機配位子保護金ナノ粒子として,9.3 nmおよび15 nmの2種類のサイズで,アニオン性有機分子であるクエン酸三ナトリウム(CA)、グルタチオン(GSH)、ポリアクリル酸ナトリウム(PAA)を金ナノ粒子の保護配位子として適用し,使用した。 スペクトル測定に必要な感度を見積もるために,金ナノ粒子水溶液の濃度を変化させてスペクトル測定を実施した。あわせて,局在表面プラズモン共鳴(LSPR)吸収波長と測定ピーク波長との関係や,その他スペクトルに関する情報を収集した。透過型電子顕微鏡(TEM)像も取得した。 関節軟骨の評価方法として,臨床ではいくつかの画像診断法が用いられて多角的な情報として用いられている。特にMRIの利用は拡充しており,T2強調画像, 拡散テンソルMR画像に関する情報を収集した。特に,関節軟骨の異方性や方向性と潤滑機能との関係性について重点的に文献的に調査し,関節軟骨の変性指標について,方向性を検討した。その他の細胞外マトリックスの荷電状態について文献調査を中心に実行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究における実施項目をそれぞれにバランスよく進捗できているからである。 ナノ粒子の界面電位については,正か負かのどちらかで挙動は異なるが,その絶対値によって異なる挙動は今のところ見られていない。これはすなわち,配位子を吟味するというより,現在までに合成した金ナノ粒子で進められるという感触を持っている。スペクトル測定結果より,エバネッセント光でも測定感度も確保できると見込んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画通りの実行に加えて研究の更なる推進のために,現在の進捗と研究の進め方のバランスを保ちつつ実行する。現在,検討中の事項として,細胞の取り扱いについてである。軟骨細胞の培養,3次元培養の経験は多々あるが,どの条件が研究を進めるのがよいかなどを中心に,綿密に計画し,進めていく。 最終的な目標達成及び,その推進にむけて,ハードウェア開発の部分については,部材の準備に時間がかかる可能性があるので,計画を前倒しで実行できるように努める。感度と精度については,H27年度のスペクトル測定結果より,十分に確保できる見込みである。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画において,当初の計画より,机上で検討する事項や事前に検討して決めるべき実験内容が多くなった。 さらに,2年度目に実施する研究に関して当初より経費がかかることが判明した。これにより,初年度の研究費を次年度に計上することで,結果的に,効率的に研究を実施でき,予定通りの成果があげられると考えている。
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次年度使用額の使用計画 |
備品費は約30万円を計上し、測定データの処理・保存に必要な備品の購入を予定している。消耗品費は約30万円を計上し、細胞培養のために必要な消耗品、分子生物学的な解析のための必要な試薬、光学部品の購入を予定している。 旅費は約60万円を計上し、学会発表、情報収集等の国内・国外出張費用とし、人件費は 約150万円を計上し、研究補助を予定している。
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