研究課題/領域番号 |
15K12575
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
平山 暁 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (20323298)
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研究分担者 |
植田 敦志 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (00708448)
三浦 美佐 筑波技術大学, 保健科学部, 准教授 (30612014)
上月 正博 東北大学, 医学系研究科, 教授 (70234698)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 腎臓リハビリテーション / 慢性腎臓病 / 血液透析 / 運動療法 / 酸化ストレス |
研究実績の概要 |
【研究の目的】本研究では,リハビリテーションを筋に対する酸化ストレス亢進部位特異的抗酸化療法と捉え,血液透析患者を対象に透析療法中に運動療法を行い,効果的な酸化ストレスコントロールにより全身病態の改善を目指すリハビリテーションプログラムを創出することを目的とした. 【研究デザインと対象】複数の透析施設における安定期維持透析患者とする,非ランダム化前向き観察研究として施行した.同意の得られた患者を対象とし,複数の運動プログラムにおいて安全性,運動機能,QOL,各種臨床指標および酸化ストレスマーカーの評価を行った. 【腎臓リハビリテーションプログラム】 腎臓リハビリテーションは,透析中に電動アシスト自転車もしくは負荷量可変式自転車による下肢運動として施行し,運動を行わないコントロール群を設定し検討した.透析中の下肢運動は個々の体力に応じ、15-60分/回実施し、12週間継続した.透析は週3回4時間を基本とし,運動療法はこのうち2回/週施行した.運動療法の負荷量設定条件は,運動耐用能測定における有酸素運動のレベル設定で,かつ毎回Borg強度11~13(「楽である」~「ややつらい」)の範囲内で行った. 【結果】上記の運動プログラム施行群では,試験期間後に,非透析日を含む全体的な活動量の増加,運動負荷量・運動可能時間・握力・下肢筋力の有意な増加が認められた.臨床指標としては,収縮期血圧・LDL・CRPの有意な低下とKt/Vの改善など病態改善効果がみられた.酸化ストレス指標では,血清のラジカル消去活性において多面的な変化がみられ一様ではなかった.炎症性サイトカインではTNF-αは増加し,IL-6は不変であった. 【結論】本プログラムによる腎臓リハビリテーションは安全に病態改善を行うことが可能であった.酸化ストレスの変動は多面的であり,一概には評価できなかった.
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