脳梗塞後の神経筋接合部の形態および受容体などの量的変化が生じるかどうかは不明な点が多い。本研究では、脳梗塞後痙縮発症モデルを用い、脳梗塞後痙縮を発症したの麻痺筋の神経筋接合部において、形態変化の有無と、発現する受容体などの量的変化をmRNAの定量解析を行った。脳梗塞後2~12週間の神経筋接合部は、神経軸索の発芽や終板の断片化などはほとんど観察されなかった。また量的変化について、アセチルコリン受容体サブユニットアルファ1およびイプシロンの発現量がコントロール群と比較して有意に増加していた。麻痺筋の神経筋接合部では形態変化は見られなかったが、機能に関わる受容体の変化が生じている可能性が示唆された。
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