研究課題/領域番号 |
15K12584
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
前重 伯壮 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (90617838)
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研究分担者 |
三好 真琴 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (50433389)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 超音波療法 / 筋萎縮 / 短鎖脂肪酸 / ω-3系多価不飽和脂肪酸 |
研究実績の概要 |
<細胞培養の実施>前年度確立したC2C12筋芽細胞を用いた培養系にて筋管細胞への分化が安定して行えており、継続的に実験を行えている。 <筋萎縮モデルの確立>前年度確立したリポポリサッカライドを用いた実験系にて、再現性のある筋萎縮を惹起できている。 <超音波照射による筋萎縮予防効果>前年度明らかになった超音波照射による炎症性筋萎縮の予防効果について、超音波の機械的刺激がintegrinの裏打ちタンパクであるfocal adhesion kinaseを活性化することが機序として明らかになった。 <脂肪酸による筋萎縮予防効果>前年度明らかになった萎縮を惹起する濃度(短鎖脂肪酸:酪酸4mM、ω-3系多価不飽和脂肪酸:ドコサヘキサエン酸およびエイコサペタエン酸100uM)より低い濃度にて、炎症性筋萎縮に対する各種脂肪酸の予防効果を検討した。1mMの酪酸、25~50uMのドコサヘキサエン酸およびエイコサペタエン酸が萎縮を予防することが確認された。萎縮の定量は、筋管細胞径および筋原線維タンパク量を指標にして解析した。なお、予防効果が認められた濃度域では、細胞傷害性は認められなかった。 <in vivoモデルでの検討>酪酸のトリグリセライドであるトリブチリンの経口摂取が、LPS誘導性(腹腔内投与)筋萎縮を予防することが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度安定した実験系が確立できたため、今年度各種脂肪酸の筋萎縮予防効果を明らかにすることができたが、超音波療法との併用効果がまだ明らかにされていない。そのため、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
炎症性筋萎縮に対する脂肪酸等の作用に対する超音波療法による促進効果を検討する。併用効果が明らかになった治療プログラムにてin vivo実験を行い効果を検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
超音波照射と脂肪酸添加の併用効果の解析が当該年度に実施できなかったため、その解析に要する費用が次年度使用額として発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
超音波照射と脂肪酸添加の併用効果の解析に次年度使用額を用いる。具体的には、細胞購入費、試薬・消耗品費等に充てる。
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