乳幼児の音韻認識能力を知る課題を作成し、その課題を用いて縦断的な調査を行うことを目的とした。音韻認識能力を知る課題として、刺激音数の弁別課題と語音弁別の課題を作成した。これらの課題を聴覚障害、運動や言語発達の遅れがない対象児に実施した。その結果、条件付け振り向き法を用いた刺激音数の弁別の観察で、7ヵ月児は1単位と3単位の違いを弁別していることが確認された。音節の弁別は明らかな反応は得られなかった。語音弁別能力については、小学生を対象に行動による弁別評価と、事象関連電位を用いた生理学的評価を行った。その結果、行動による評価では特異な歪音(側音化構音の/ki/)の弁別は難しい対象児がいた。
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