研究課題/領域番号 |
15K12611
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
武田 湖太郎 藤田保健衛生大学, 藤田記念七栗研究所, 准教授 (50618733)
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研究分担者 |
宮坂 裕之 藤田保健衛生大学, 藤田記念七栗研究所, 講師 (00440686)
Orand Abbas 藤田保健衛生大学, 藤田記念七栗研究所, 助教 (10612591)
水谷 謙明 藤田保健衛生大学, 藤田記念七栗研究所, 講師 (30351068)
岡田 泰昌 独立行政法人国立病院機構村山医療センター(臨床研究部), 電気生理学研究室, 室長 (80160688)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 半側空間無視 |
研究実績の概要 |
半側空間無視(Unilateral Spatial Neglect)は,大脳の損傷により,病巣と反対側の刺激に対する空間的認知処理が障害された状態であり,主に右半球の脳血管障害(脳卒中など)により生じ,左側を無視することが多い.脳卒中後の急性期では約10%から40%もの患者に出現する.例えば右大脳半球損傷により左半側空間無視が生じると,食事の際に左側の食品に気づかなかったり,移動時に左側のもの(壁など)に衝突するなどの問題が生じ,日常生活動作に多くの介助が必要となることから,結果的に在宅復帰を困難なものとしている.臨床において,半側空間無視のリハビリテーションとして,無視側への視覚探索訓練,プリズムアダプテーション,耳冷水刺激などが有効と報告されているが,いずれも効果の持続や日常生活への汎化について十分な確証が得られていない.われわれは,半側空間無視の新しいリハビリテーション訓練を開発している.本訓練では視覚探索と同時に体幹の回旋動作が行われ,無視側への視覚探索と体幹回旋による両訓練効果が期待できる.一方,半側空間無視は様々な損傷部位により生じることや,患者を対象とした研究の限界があるため,どの訓練法が最も効果的かを評価することが難しい.そこで本研究では,ラットによる半側空間無視モデルの作製を行い,ヒトの臨床と同様の訓練を行うことで,統制された条件下における訓練効果の比較を可能にすることを目的としている.今年度は,ヒトでみられる症状と同様の無視側への衝突を検出するため,Free Movingな状態においてラットが壁や衝立に触れる(衝突する)回数をカウントする測定環境の作製を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
ラットが触れたことを検出するデバイス(高精度な接触センサ)の選定に時間がかかったため.
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今後の研究の推進方策 |
作製した測定環境を用い,半側空間無視モデルラットが実際にヒトの半側空間無視と同様に障害側の反対側(無視側)により多く衝突することを示す.次に,ヒトと同様の訓練を複数試行することで,効果に違いがあるかを比較する.
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次年度使用額が生じた理由 |
実験に必須となるデバイス(接触センサ)の選定に時間がかかり,研究の進行が非常に遅れてしまったため.
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次年度使用額の使用計画 |
選定したデバイスを元に実験装置を完成させる.実験装置を用いてデータを収集し,盛夏の候表を目指す.
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