研究課題/領域番号 |
15K12618
|
研究機関 | 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 |
研究代表者 |
土井 幸輝 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 研究企画部, 主任研究員 (10409667)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | UV点字 / 触読初心者 / 触読 / サイズ |
研究実績の概要 |
スクリーン印刷方式による無色透明な紫外線硬化樹脂インクを用いた点字(UV点字)を墨字(晴眼者が読む普通文字)上に付すことで、晴眼者と視覚障害者がひとつの印刷物の情報を共有できる印刷物が急速に普及しつつある。一方、成人になってからの点字習得は難しく、点字を十分に触読できない中途視覚障害者は多い。このため、点字学習教材の充実が教育現場からは求められており、なおかつ紙製の点字よりも指先への刺激が強いUV点字が点字学習教材に活用されることが期待されている。しかし、現在の製法であるスクリーン印刷方式では、点の高さが不十分なことや、印刷後の仕上がりが悪いこと、点字学習者にとって触読し易い条件が明らかにされていないことが問題視されている。そこで本研究では、既存法代替の仕上がりの良い製法の提案と触読し易いUV点字を付す条件を明らかにすることを目的とした。昨年度は、紫外線硬化樹脂インクを非接触で噴射するノズルを搭載したリニアガイドテーブルをサーボモータで駆動する方法による新規UV点字作成装置を開発した成果について学会発表を行った。また、今年度はUV点字のテストピースを作成し、定量的にUV点字の触読性を評価する実験を継続して行うことができ,データの分析を終えたところである。次年度は、これらの研究成果を国際学会等で発表する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は、紫外線硬化樹脂インクを非接触で噴射するノズルを搭載したリニアガイドテーブルをサーボモータで駆動する方法による新規UV点字作成装置を開発した成果について学会発表を行った。また、本年度はUV点字の触読性に関する継続した実験を行うことができたため、順調に進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
初年度と本年度の研究の成果を学会で発表することができた。これらのことから、当初の計画以上に研究を推進できており、今後も、UV点字の識別容易性に関する実験を継続して行うとともに研究成果を学会等で公表する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初年度内に開催が予定されていた国際学会が2017年度に開催されることになったために次年度使用額を残すこととになった.
|
次年度使用額の使用計画 |
当初年度内に開催が予定されていた国際学会(tactile reading)が2017年度に開催するための費用として使用する.
|