• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実施状況報告書

遺伝子多型を手がかりとする瞬目発生の制御神経機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K12620
研究機関大阪大学

研究代表者

中野 珠実  大阪大学, 生命機能研究科, 准教授 (90589201)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード瞬目 / ニコチン / 受容体 / セロトニン / 遺伝子多型
研究実績の概要

映像観察時の自発性瞬目の生起頻度の個人差が、ニコチン受容体α4β2の遺伝子多型のタイプにより異なることを発見した。この発見に基づき、ニコチンガム摂取により、瞬きの頻度に変化がでるかを調べたが、投与量が少なかったため、大きな影響は生じなかった。しかし、投与量を多くすると、副作用が大きくなるため、ヒトへの投与は困難であることが分かった。そこで、日常的に喫煙をしている人を対象に、喫煙前後での瞬目率の変化を調べた。その結果、一部の人では、喫煙後に瞬きが増加する傾向がみられた。しかし、個人差が大きく、統計的な有意差は認められなかった。
さらに、瞬きの発生に関連する脳領域のセロトニン細胞の受容体がニコチン受容体であることに着目し、セロトニン投与により、瞬目率が変化するかを、動物を対象に研究を実施している。具体的には、セロトニンの再取り込み阻害薬を長期間服用することにより、セロトニン受容体の活動レベルを変化させ、同時に、安静時の瞬きをビデオ計測により長期間モニタリングを行い、両者の間に相関関係があるかを調べている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画していたニコチン投与による瞬目率の変化の実験は終了し、さらに次のステップとして、ニコチン受容体が関係するセロトニン細胞に着目し、それと自発性瞬目との関係を明らかにする実験にすでに着手していることから、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

遺伝子多型の解析に加えて、遺伝子伝達物質の働きを変化させる薬物が自発性瞬目の頻度に及ぼす影響を調べることで、自発性瞬目の発生を制御している神経機構を多角的アプローチにより明らかにしていく計画である。

次年度使用額が生じた理由

複数名の瞬目を同時に計測できるようにするために眼電アンプを5台購入する予定である。

次年度使用額の使用計画

すでに保有している生体用計測装置に追加という形で、複数同時計測が可能な眼電アンプを5台購入する計画である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Automatic representation of a visual stimulus relative to a background in the right precuneus2015

    • 著者名/発表者名
      Uchimura M, Nakano T, Morito Y, Ando H & Kitazawa S
    • 雑誌名

      European Journal of Neuroscience

      巻: 42 ページ: 1651-1659

    • DOI

      10.1111/ejn.12935

  • [学会発表] A novel utility of allocentric coordinates for controlling saccadic eye movements2015

    • 著者名/発表者名
      Mrinmoy Chakrabarty, Tamami Nakano, Shigeru Kitazawa
    • 学会等名
      Neuro2015
    • 発表場所
      神戸国際会議場(兵庫県神戸市)
    • 年月日
      2015-07-28 – 2015-07-31
  • [学会発表] Automatic discrimination of accents by native dialect speakers: a behavioral and mismatch negativity study2015

    • 著者名/発表者名
      Abe Mayuka, Tamami Nakano, Shigeru Kitazawa
    • 学会等名
      Neuro2015
    • 発表場所
      神戸国際会議場(兵庫県神戸市)
    • 年月日
      2015-07-28 – 2015-07-31

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi