体育授業では,基礎的な運動能力や運動学習能力をもっていながら,それらの能力にみあった学習成果が得られない運動不振の学習者が見受けられる.本研究では,運動不振を呈する者に対する心理的アプローチを検討することを目的とした.本研究では,以下の下位研究課題を設定した.①運動不振症状の分類,②運動不振を呈する者の内的体験の検討,③運動不振を呈する者に対する心理的アプローチの検討.これらの検討課題から,運動不振者が表す動きの課題と彼らの内的課題との間に類似性が認められた.そして,彼らへの心理的アプローチは,自己・他者・競技といった3側面との対話の様態へアプローチすることが有効であると示唆された.
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