【目的】体育やスポーツ活動でICTを活用する際に必要となる運動習熟過程に潜在する動作間の因果関係と,動作習熟課題を解決するために辿る学習コースに潜在する規則の発見的解明に挑戦した.ICTを活用した体育やスポーツでの運動学習において,子供が主体的に運動習熟課題を解決する過程で発見した複数の運動や動作の間に潜在する因果関係や相関ルールを探索し,運動習熟に潜在する規則を発見することを目的とした.そのために,最新のデータマイニング手法を適用した.得られた子どもの運動習熟の規則を適用して,個人の年齢,体格,体力などに適合した運動課題に対して,主体的に動作間の因果関係を発見し,逐次的に課題を解決していく「思考能力育成型」の運動習熟アルゴリズムを構築し,タブレット型PC搭載するアプリを試作した.【対象】専門的な大学生アスリート,小学中高学年児童,中学生,男女計600人以上.【手順】1.運動と動作の機能を視認している専門家による定性的分析から,体育で学習する運動習熟課題の評価規準と運動機能を構成した.2.新体力テスト8項目を測定し,体力テスト合計点とともに併存妥当性基準とた.3.運動局面の分解画像質問による学習ノート型の運動習熟調査票を用いて測定した.4.項目反応理論(IRT)の数理モデルを適用して,運動習熟パターンデータから項目特性を分析した.5.新体力テストの体力合計点を基準として,併存妥当性を分析した.6.決定木分析を適用して,運動機能間の階層的因果関係(単純→複雑への連鎖関係)を分析した.【成果】1.体育で習熟する運動機能の達成度評価基準得点を構成した.2.項目特性値と運動習熟規則から,適応型コンピュータアルゴリズムを構築し,タブレット型PC上のアプリを試作した.
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