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2017 年度 実績報告書

体育教師の専門的力量形成に関するライフヒストリー研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K12632
研究機関広島大学

研究代表者

木原 成一郎  広島大学, 教育学研究科, 教授 (20214851)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード体育科教育 / 教師教育 / ライフヒストリー / 授業スタイル / 教職経験 / 教師の信念 / 保健体育教師
研究実績の概要

中学校保健体育教師小田氏の「授業スタイル」は,中学校時代の恩師の影響により形成された教師像を基盤として,初任として採用されたC市立O中学校の8年間に形成された。それは,教える内容を明確にして開発された運動教材を用いて,子ども達に運動技能の習得過程を観察し記録させて練習の課題を理解させた後,子ども達に運動の課題を自覚した練習をさせて運動技能の上達を図るという「授業スタイル」であった。
採用9年目で転任したC市立P中学校の6年間は,生徒指導の困難を抱えた大規模校で,管理的な保健体育授業を実践せざる得ない挫折を味わった。しかし,6年目にそれまで開催されていなかった体育祭を翌年に開催する素案を提案したように,中学校時代の恩師の影響により形成された教師像は保持していたといえる。
採用15年目に転任したC大学附属Q中学校では,転任直後からE氏の支援でそれまでの自己の「授業スタイル」の根拠となる体育授業の理論を身に付けることになった。また,C大学附属Q小学校のF氏の体育授業を参観したことを契機として,小田氏の「授業スタイル」は,第1に「競争」を教える内容に設定する教育内容観,第2に教師が目標とした運動技能の評価基準を生徒と対話してすりあわせることにより,教師の目標を子どもの目標に転化させる指導観について変容した。
小田氏のライフヒストリーの事例は,中学校の恩師の影響による教師像が基盤となり,初任期に研修や前任者の残した資料や著作から学んだことを実践し,時間的な余裕のある職場で子どもの学習成果を振りかえることを契機として「授業スタイル」が形成されることを示している。また,中堅期にE氏やF氏というメンターとの出会いにより,自己のそれまでの「授業スタイル」の背景にある体育授業理論を自覚するとともに,新たな教育内容観や指導観を含む「授業スタイル」へ変容したことを示している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 2017 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 授業の力量形成に関するライフヒストリー研究(その3): B氏の体育授業を中心に2018

    • 著者名/発表者名
      木原成一郎・小田啓史・大後戸一樹
    • 雑誌名

      学校教育実践学研究

      巻: 24 ページ: 149-156

    • DOI

      http://doi.org/10.15027/45468

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 授業の力量形成に関するライフヒストリー研究(その3)2017

    • 著者名/発表者名
      木原成一郎、大後戸一樹
    • 学会等名
      日本スポーツ教育学会第37回大会
  • [備考] 広島大学学術情報リポジトリ

    • URL

      http://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/ja/search/item/45468?all=%E6%95%99%E8%82%B2&include_file=exclude

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公開日: 2018-12-17  

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