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2016 年度 実施状況報告書

武道の授業によって生徒の「心」を育む:小規模校で実践する新たな剣道授業の効果

研究課題

研究課題/領域番号 15K12633
研究機関高知大学

研究代表者

矢野 宏光  高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 准教授 (90299363)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード剣道授業 / 小規模校 / 達成動機 / 自己効力感 / 自尊感情
研究実績の概要

本研究結果から小規模校の生徒の達成動機が適正規模校よりも有意に低いことが判明している。そこで、本研究においては、剣道授業が小規模校の生徒の心理的変数にどのように肯定的な効果を与えるかを検証し、小規模校の特性に即した剣道授業内容を構想することを目的としている。以下に本研究から得られた知見を示した。
1.CAM(達成動機を高めることに焦点を置いた授業内容)を適用した剣道授業の効果
剣道授業期間の前後の比較分析によって、生徒の達成動機、自己効力感、自尊感情のすべてに上昇が認められた。また、剣道授業経験者は未経験者よりも達成動機合計得点及び自己充実的達成動機の向上が顕著であった。すなわち、CAMはすでに一般的な剣道授業を経験した生徒により効果的に作用する可能性が示唆された。
2.木刀による剣道授業の効果
木刀による剣道基本技稽古法による効果を検証するために、剣道授業未経験者と経験者に分けて達成動機の変化を分析した。木刀による剣道授業未経験者の達成動機と一般性自己効力感は、授業初回には非常に低かったが、授業が進行する中で高まり、剣道授業最終回では剣道授業経験者との間にほとんど差が無くなった。これは、授業進行の中で自身の技術習得に関して効力感を強めたと推察できる。一方、すでに木刀による剣道形の順序や内容を習得し個々に効力感を得ていた剣道授業経験者は、2年目にはさらに基本動作のみならず質の向上に焦点化したことで、自身の未熟さを感じそれが要因となり剣道授業未経験者ほどには上昇しなかったと考察された。
研究結果を総括すると、CAMを用いた剣道授業、木刀による剣道授業いずれにおいても、剣道授業初回より剣道授業最終回の方が、生徒の達成動機、自己効力感、自尊感情の上昇が確認された。このことから、小規模校で実施した剣道授業によって、生徒の心理面が肯定的に変容したことが明確となった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでの研究は、計画どおり順調に進展している。
現在、本研究最終年である3年目の準備を進めている。次年度も計画どおりに進むよう綿密に準備をしたい。

今後の研究の推進方策

研究結果のまとめと学会発表及び学会誌へ投稿等による公表を行う
・小規模校の生徒の経年変化分析
・小規模校において研究結果についてのヒアリングを実施
・論文と公表に向けた準備を行う

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公開日: 2018-01-16  

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