西と三輪らが,2012年12月から東日本大震災の被災地で継続している「てあわせ表現」ワークショップを対象に,集団の位置計測とその解析,継続参加している保護者へのインタビュー調査等の質的検討から,身体での共創表現におけるファシリテータのはたらきを検討した.位置計測では,ファシリテータは,参加者と多様な距離をとりあっていることが確認された.また,ファシリテータの移動に伴い,全体の重心位置が変化する場面のあることが推察された.インタビューの質的検討では,活動の継続に伴って,参加者が相互に表現をファシリテートし合う「共創するファシリテーション」への意識がめばえていることが明らかとなった.
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