本研究では,2種類のボール質量,2種類の摩擦条件(指にテープを巻く),3種類の投球速度の計12条件下で,ボールを的に向かって投げる際のボールに作用する力を実測するとともに,投球動作パターンとの関連性を調査した.低摩擦により滑りやすい状況では,通常と同じ握り方の場合には,ボール中心方向への力加減を変えずに,指の内外転方向の力を僅かに変えるだけで対応していた.また,また,ボールの重さや投球速度を変える際には,体幹部の回転速度と肘の伸展速度を変化することで対応していた.このように課題遂行上の変化を,関連する少数の項目で吸収し,全体の動きをあまり変えないように投動作は制御されていた.
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