研究課題/領域番号 |
15K12645
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
彦次 佳 和歌山大学, 教育学部, 准教授 (30637062)
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研究分担者 |
谷所 慶 関西大学, 人間健康学部, 准教授 (80455443)
野瀬 由佳 安田女子大学, 家政学部, 講師 (60634194)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 倫理的配慮 / ラポールの形成 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、上富田町の小学生・中学生の身体づくりと体力づくりを目的とし、約1年間の教育・啓発キャンペーンを展開し、その効果や成果を測定することである。その研究の性質上、データ収集と分析の段階で個人を特定したデータ集計を実施する必要があり(最終的な分析と結果には個人が特定されることは一切ない)、その点において、上富田町教育委員会(以下、「教育委員会」)の要望と、和歌山大学研究倫理委員会(以下、倫理委員会)の審査をクリアする必要があった。そこで今年度は、教育委員会からの要望と、倫理委員会からの倫理的配慮とそれに準ずる助言との折衝を重ね、さらに綿密な打ち合わせを進めた。その結果、2度にわたる倫理委員会の開催を経て、教育委員会と研究代表者が、1)本研究事業を進めるにあたっての倫理的な平等性と配慮を最大限に担保すること、2)個人情報の取り扱いについても必要最小限の範囲で暗号化した状態で提供してもらうこと、3)それらを本研究事業の用途以外には一切使用しないこと、についての覚書を交わすことで、両者からの承認を得ることができた。これにより、2016年1月16日および4月14日に開催された教育委員会・校長会にて、本研究事業の計画と方法、具体的な協力内容について説明と相談を実施し、最終的な実施方法とスケジュールが決定した。よって、2016年6月より研究計画に記載・予定していたようにベースラインデータを収集、その後キャンペーンを展開し、最後にアウトカム調査を行ない、本キャンペーンの効果測定と評価を行なっていく。教育委員会の要望と倫理委員会の求める倫理的配慮との折衝に予定以上に時間を要し、当初の研究計画からは6ヶ月程度進度が遅れてしまうこととなったが、教育委員会と倫理委員会の両者の合意と相談を重ねたことにより、これから実施するキャンペーンの展開方法に具体性と効率性が向上することとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実際に本研究のキャンペーン(介入研究)を展開する場となる上富田町5小学校・1中学校および教育委員会からの要望と、和歌山大学研究倫理委員会の審査とそれに準ずる助言との折衝と、研究計画への反映、共同研究者との相談に、多くの時間を要することとなったため。特に、和歌山大学研究倫理委員会からの指導助言には、研究対象となる小中学生の「平等性の担保」が強調されていたため、一部申請時の研究方法に修正を加える必要が発生し、研究対象となる上富田町教育委員会と研究代表者・共同研究者の双方に、理解と承認を得るための時間が必要となった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の初年度の成果として、上富田町教育委員会と和歌山大学研究倫理委員会からの承認を得ることができたため、2016年6月より実際に本研究のメインプログラムとなるキャンペーンを展開していく。具体的には、月に2回(2週に1回)、身体づくりと体力づくりを目的とした栄養学的知識を紙媒体の資料として学校・学級で配布、同時にweb上でもそれらの情報とより詳細な学術的情報、エビデンスを公開する。さらに体力づくりに関しては月に1回、5~10分程度でできるトレーニングプログラムを処方し、web上に動画を公開し、教育・啓発を行なう。 これらのキャンペーンの前後にはそれぞれ、栄養学的知識や態度、日常的な行動に関する調査と、体格や新体力テストの測定値を収集し、それらの変化を分析、キャンペーンと研究の効果を測定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究のメインプログラムであるキャンペーンの展開が、上富田町教育委員会の要望と和歌山大学研究倫理委員会の審査・助言との折衝で遅れたため、キャンペーンの実施に伴う研究代表者・共同研究者の現地フィールドワークの回数が減少したため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額が生じた理由に記載の通り、研究代表者・共同研究者の現地フィールドワークが遅れたため、次年度にこれらの費用を回し、研究者の現地への出張旅費として充てる。
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