研究課題/領域番号 |
15K12648
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研究機関 | 鹿屋体育大学 |
研究代表者 |
松尾 彰文 鹿屋体育大学, その他部局等, 教授 (60126167)
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研究分担者 |
吉武 康栄 鹿屋体育大学, その他部局等, 准教授 (70318822)
土江 寛裕 東洋大学, 法学部, 准教授 (60458479)
金久 博昭 鹿屋体育大学, その他部局等, 教授 (50161188)
福永 哲夫 鹿屋体育大学, その他部局等, その他 (40065222)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 地面反力 / スプリント走 / トレーニングシステム |
研究実績の概要 |
オリンピックの花形競技である,陸上競技100m の日本記録(1998 年,伊東浩司,10.00 秒)は,この16 年間更新されていない.我々スポーツ科学者にとって,その現実は猛省せねばならないことであると同時に,自国でのオリンピック開催に向け,100m スプリンターの発掘・育成が喫緊の課題となっている.それを打破するためには,世界に先駆けた論理的かつ実用的な新しいトレーニング方法の確立が必要であるのは言うまでもない.我々は,従来行われてきた映像解析による走フォームの修正などのキネマティクス的アプローチ(松尾,2012)から一旦距離を置き,「物体が推進するためには,その至適方向に力を発揮しなければならない」,という単純な物理学の法則(作用・反作用)にもう一度立ち戻ることにした.すなわち,「地面に対し至適に力を発揮できれば(できるようにさせれば),自ずと疾走パフォーマンスは向上する」という仮説に基き,その至適な力発揮を実現させるトレーニングシステムの開発が必要であるという発想に至った. システム開発に必要な情報を収集するために,今年度においては,スタート~加速期(0~50m)における走速度とキネティクス的指標との関連性を明らかにすることを目的とした.対象は,大学インカレ出場常連校であるサッカー部の1軍選手24名とした.その結果,50mスプリント走における最高疾走速度は,(鉛直方向ではなく)推進方向の力もしくは力積と高い相関関係にあることが明らかとなった.さらには,その結果を基に,力積の様相をほぼリアルタイムにて音に変換し,対象者にフィードバックする試作システムが完成した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度の目的に加え,来年度の目的であったトレーニングシステムの構築が,1部開始されているため.
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今後の研究の推進方策 |
前年度の結果より得られた疾走パフォーマンスと至適な力発揮特性の結果を基に,「疾走中の選手へのリアルタイムでのフィードバックトレーニングシステムの構築」に取り組む.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究員の雇用を行なったが,別財源より人件費を補填できたため.
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次年度使用額の使用計画 |
引き続き,研究員の人件費に充てる予定である.
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