研究課題/領域番号 |
15K12651
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研究機関 | 上武大学 |
研究代表者 |
関口 浩文 上武大学, ビジネス情報学部, 准教授 (20392201)
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研究分担者 |
小幡 博基 東京大学, 総合文化研究科, 助教 (70455377)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 酸素カプセル / 運動学習 / visuomotor課題 |
研究実績の概要 |
既に超高齢化社会を迎えた我が国の増大する医療費の抑制や2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けたアスリート強化のために,より効率的な運動記憶の固定を実現する新たな手法が開発できれば,障害者および老若男女,あらゆる国民がその恩恵を享受することができる。本研究は,血漿中の酸素濃度を高めることにより怪我の治療を早めることで知られる高圧酸素治療に着目し,高圧酸素への曝露が運動学習を促進するか否か明らかにすることを目的とする。 初年度は,当初予定の課題のためのジョイスティック装置作製に時間がかかったため,まずはPhantom装置による力制御学習課題に関して検討した。Phantom課題はその機械自体を酸素カプセル内に持ち込むことが不可能なため,カプセル内で高圧酸素状態における課題遂行群を設定することができなかったが,①酸素カプセルへの暴露無し,②運動課題の前,③運動課題の直後,④運動課題2時間後の4群を設定し,各群8名,計32名記録した。酸素カプセルにおいて1.3気圧安定時に計測した酸素濃度は約27%であり,通常の1気圧環境より6%ほど高くなっていることが分かった。単純な解析結果として,現時点では各群間に有意な差な観察されていない。今後,さらに詳細に解析し,検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請額よりかなり減額されていたことにより,まずは,本研究必須アイテムである酸素カプセル自体購入するのに,前倒し請求を行わなければならなかった。また,そのため当初予定のVisuomotor課題実施に向け,ジョイスティックの作製にはあまり経費をかけられず,また作製期間もかなりかかってしまったため,当初予定の実験を開始できなかった。次年度は,ジョイスティック自体のスペックがあまり高くはないが,Visuomotor課題に関して,酸素カプセル暴露のタイミングの影響を検討する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,ジョイスティックを用いてVisuomotor課題を対象に酸素カプセル暴露のタイミングの影響を検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究実施に向け,研究費が足りないと考えたため,学内研究費を申請し,本研究で使用予定のジョイスティック作製費用をそちらから支出した。学内研究費も通るか否か,また通ったとしても額面がいくらになるか定かではなかったため,前倒し請求にて準備をしていた。また,今年度の参加被験者も酸素カプセルを体験したいとのことでボランティアで実験に参加してくれたため,次年度に繰り越すこととなった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は,ジョイスティックによる課題を実施予定で,これは酸素カプセルの中に持ち込める機器であることから,今年度より1群(8名)多く被験者の謝金枠を準備しておく必要がある。
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