本研究では、母音及び子音の持つ特定の音素特性が一貫して運動制御における運動感覚特性を表象するかを特定するため、運動スキルの指導に用いられる日本語の擬態語・擬音語について調査した。18名のスポーツ指導者がアンケート調査に参加した。 参加者は、「筋力」及び「動き」を修正するために口頭で指示を出す際に使用する擬態語や擬音語を自由記述した。音韻分析の結果、語頭子音阻害音の有声性、長母音の有無、及び語尾促音の有無が筋力及び動きの修正に有意に関連していることが明らかになった。これらの結果は、擬態語や擬音語の持つ特定の音素特性が、大きさやスピードのような筋力及び動きの運動感覚特性のイメージを想起させる可能性を示唆している。
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