研究課題/領域番号 |
15K12654
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田村 雄介 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (40515798)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 自転車 / 把持位置推定 |
研究実績の概要 |
スポーツの技術向上において、自分の動きをリアルタイムに把握することは非常に重要である。自転車競技においては、これまで下肢のペダリング動作に関する研究が多くなされてきたが、空気抵抗や身体の疲労という観点から、下肢だけでなく上半身の乗車姿勢も非常に重要な要素である。本研究では、大掛かりな計測装置無しに、自転車に取り付けることの可能なセンサを用いて走行中の乗車姿勢を推定する手法を開発することを目的としている。 平成27年度は、主に、ハンドル・サドルにかかる力・モーメントの基礎データ計測、およびハンドル把持位置推定手法の開発を行った。 自転車乗車時に、ハンドル及びサドルにかかる力及びモーメントの基礎データを実験により計測した。具体的には、自転車エルゴメータに6軸力覚センサを取り付け、自転車乗車時の力とモーメントの計測を行った。 また、ロードバイク乗車時の上半身姿勢を推定するためには、まずハンドル把持位置を知る必要があるため、ハンドルにかかる力とモーメントのパターンから把持位置を推定する手法を開発し、実験によってその有効性を確認した。具体的には、まず、予備実験の結果をもとに、ハンドルにかかる鉛直方向の力の大きさ(Fz)、前後方向の力の大きさ(Fy)、ハンドル左右軸周りのモーメント(Mx)を特徴量として選定した。次に、これらの特徴量を入力としてSupport Vector Machine(SVM)を用いて3クラス分類問題を解くことで把持位置推定を実現した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・ハンドル・サドルにかかる力及びモーメントの基礎データを計測する基盤が整った。 ・ハンドル把持位置推定手法を開発した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、平成27年度の成果をもとに、実走行に対応した計測システムを開発する。 また、把持位置推定の結果をふまえた上半身姿勢推定手法の開発を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度は主にアルゴリズムの開発を中心に進めたので、当初平成27年度内に購入予定だった計測装置を用いずとも、研究が適切に遂行できたため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度の研究の結果をふまえて、実走行での計測のために新たな計測システムを開発することが効果的であると考えたため、そのための計測装置および消耗品などへの使用を計画している。また、研究成果の学会発表や論文投稿も予定している。
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