研究課題/領域番号 |
15K12660
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
後藤 一成 立命館大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (60508258)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | コンプレッションウェア / リカバリー / 筋損傷 / 筋パワー |
研究実績の概要 |
平成27年度は、持久性運動後におけるコンプレッションウェアの着用の効果を検討した。まず研究1では、活動的な男性10名を対象に、下り勾配(-10%)での30分間のランニング(最大酸素摂取量の70%強度)を実施した。運動終了直後~24時間後まで着圧を施したコンプレッションウェア(CG条件)または着圧を施さない通常のスポーツウェア(CON条件)のいずれかを着用し、筋機能や筋損傷・炎症反応の変化の動態を比較した。その結果、いずれの条件においても運動後に垂直跳び跳躍高の有意な低下がみられたが、運動24時間後の時点においては、CG条件がCON条件に比較して有意に高値を示した。一方、血清ミオグロビン、クレアチンキナーゼ、高感度CRP濃度など、筋損傷・炎症反応に関わる血液指標の変化の動態に条件間で差はみられなかった。次に研究2では、男性8名を対象に、勾配なしの水平面での30分間のランニングを用いて、同様の実験を実施した。その結果、研究1に比較して、30分間のランニング運動に伴う筋機能の低下や筋損傷の程度はいずれも軽度であった。また、CG条件とCON条件の間では、いずれの項目においても運動後における変化の動態に有意差は認められなかった。以上の結果から、持久性運動後におけるコンプレッションウェアの着用は筋パワーの回復促進に有効であること、この効果は特に、運動に伴う筋損傷・炎症反応の大きい場合に認められることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の予定通り、2つの研究を完遂することができた。また、概ね仮説通りの結果が得られ、これらの成果を国内外における学会やシンポジウムにおいて発表することができた。さらに、原著論文を国際誌に投稿し、International Journal of Sports Medicineへの掲載が決定をした。主要国際誌への論文掲載は平成28年度を想定していたが、予想以上の早期に研究成果をあげることができた。以上の諸点から、研究の進捗は「当初の計画以上に進展している」と評価することができる。
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今後の研究の推進方策 |
交付申請書への記載の内容に沿って、平成28年度も研究を推進する。平成27年度の成果を挙げることができるように、早期に実験開始の準備に取りかかりたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定通り研究が進行し、次年度の研究実施のために予算を施行することが適切であると判断したため。
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次年度使用額の使用計画 |
当該予算は次年度の研究実施に必要な消耗品の購入に使用する。
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