近年、経頭蓋直流電気刺激(tDCS)を頭部に与えることにより、ワーキングメモリが向上するという報告が多い。本研究ではtDCSを右前頭前野背外側領域(rDLPFC)に与えることによる、状況判断に関する諸能力への影響について検討した。その結果、tDCS投射後、空間認知能力の成績に向上が見られた。しかし、選択全身反応時間に関しては負の影響が見られた。 以上により、rDLPFCに対してのtDCSは、状況判断能力の一部の要素には改善の効果をもたらしたが、一方で負の効果が現れた要素もあったことから、スポーツ選手の状況判断能力の改善にtDCSが有効か否かの判断は慎重に行う必要がある。
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