研究課題/領域番号 |
15K12662
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研究機関 | 木更津工業高等専門学校 |
研究代表者 |
坂田 洋満 木更津工業高等専門学校, 人文学系, 教授 (00300541)
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研究分担者 |
大橋 太郎 木更津工業高等専門学校, 電子制御工学科, 准教授 (20259823)
櫻井 健一 国際武道大学, 体育学部, 非常勤講師 (30535498)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | クラウチングスタート / 短距離走 / 陸上競技 / コーチング / 若年層 |
研究実績の概要 |
短距離走のスタート方法に関して、「短距離選手を対象としたクラウチングスタート(以下「CS」)の指導では、股関節で大きな力を発揮させ、膝関節の屈曲伸展を小さくすることが重要である」との報告がある。 本研究では、我々が開発した腰を高くした構えから股関節の伸展動作を使って前方へ飛び出す「腰高ジャンプスタート:High Position Jump Start(以下「HPJS」)」について、一般的なCSとの比較実験を実施し、それぞれの動作的な特徴を明らかにするとともにHPJSの優位性を検討することを目的とした。被験者は、11~19歳の男女24名(年齢12.4±2.6歳、身長147.2±13.4cm、体重38.6±11.7kg)であった。実験には、三次元動作解析システムを使用し、10mタイム、setの構えからブロック離地までの身体各関節角度及び屈曲・伸展角速度等について分析を行った。 その結果、10mタイムはHPJSの方がCSより有意に速かった。setの構えについて、HPJSはCSより腰が高い、前脚及び後脚つま先がスタートラインに近い、前脚・後脚膝関節角度及び大腿角度が大きかった。また、後脚のブロック離地時において、HPJSは前脚の伸展角速度と疾走速度との間で有意な相関関係が認められたがCSでは認められなかった。逆に、CSは前脚の膝関節角速度との間で有意な相関関係が認められた。前脚のブロック離地時において、CSでは前脚膝関節伸展角速度と疾走速度との間に相関関係が認められたが、HPJSでは後脚股関節屈曲角速度との間に相関関係が認められた。これらの結果から、HPJSは股関節の屈曲・伸展動作を用いて推進力を得ているのに対して、CSは膝関節伸展動作を用いて推進力を得ていることが推察された。したがって、HPJSは先行研究の報告を満足させうる有効なスタート方法であることが示唆された。
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