高地トレーニングは高いトレーニング効果を得られる反面、睡眠中に低二酸化炭素血症を原因とする中枢性無呼吸や中途覚醒の増加、徐波睡眠量の減少などの生理応答が生じ、睡眠の質を低下させる可能性がある。本研究は室内の二酸化炭素濃度を高めた低酸素環境が睡眠の質に影響を及ぼすか検討した。 その結果、室内の二酸化炭素濃度1500ppmの低酸素環境は通常の二酸化炭素濃度の低酸素環境と比較して、PSGから得られた睡眠変数、動脈血酸素飽和度指数、無呼吸指数、自律神経機能に影響を与えず、睡眠の質に影響を与えなかった。本研究結果は室内二酸化炭素濃度1500ppmの結果であり、より高い濃度を用いて検討する必要がある。
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