本研究は、実験動物を用いて、習慣的な水素水の摂取が持久的パフォーマンスおよびパフォーマンスの回復に及ぼす影響を明らかにすることを目的としている。今年度は、習慣的な水素摂取がダウンヒル運動後の筋損傷および酸化ストレスに及ぼす影響について検討を行った。 雄性のSprague-Dawleyラット24匹を、コントロール群(CON群)、コントロール水+運動群(CON+Ex群)、水素水+運動群(H2+Ex群)の3群にランダムに振り分けた。CONおよびCON+Ex群にはミネラルウォーターを、H2+Ex群には水素水をそれぞれ2週間に亘り自由摂取させた。2週間後、CON+ExおよびH2+Ex群のラットには分速24m(傾斜-14%)の走行運動を疲労困憊に至るまで行わせた。その後、予備実験にて筋損傷指標(血清CK活性)の有意な増加が観察された運動後24時間時点で解剖を実施した。解剖は、下大静脈より採血を行った後に、ヒラメ筋および肝臓を摘出した。なお、CON群は運動を行った他の2群と同様の時間帯に解剖を行った。 測定項目は、筋損傷指標(血清CK活性)および酸化ストレス指標(8-イソプロスタンおよびグルタチオン)を予定していた。しかし、筋損傷を誘導するための運動プロトコルの設定に多くの時間を費やしたうえに機械器具の故障による実験の遅延が生じたため、現在分析を進めているところであり、今後、成果報告書にて結果をとりまとめる予定である。
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