• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実績報告書

ヒト骨格筋を持つマウスの創出

研究課題

研究課題/領域番号 15K12675
研究機関地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)

研究代表者

上住 聡芳  地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 専門副部長 (60434594)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード骨格筋幹細胞
研究実績の概要

骨格筋は身体活動や運動を可能とする臓器であり、また、全身の代謝調節にも重要な役割を果たす。骨格筋量を多く保つことで健康状態がよくなり、疾病の予防にもつながることが明らかとなってきており、骨格筋は創薬のターゲットとして注目されている。また、骨格筋を標的に創薬研究を行う場合、ヒトと動物の細胞では薬剤に対する感受性や応答性が異なることがあり得るため、ヒト由来の細胞を用いることが理想的である。本研究では、ヒト骨格筋幹細胞を免疫不全マウスに移植することにより「ヒト骨格筋を持つマウス」の作製に取り組む。
昨年度、新たな筋系譜マーカーとしてCD82を発見した。骨格筋幹細胞におけるCD82の発現はこれまで報告がないため、その機能解析に取り組んだ。RNAi法によりヒト骨格筋幹細胞においてCD82をノックダウンしたところ、増殖が低下し、分化が異常に亢進した。そのメカニズムを調べるため、Pax7、MyoD、myogeninの発現を調べた。その結果、CD82のノックダウンによってPax7の発現が低下し、MyoDとmyogeninの発現が顕著に増加していた。さらに、CD82のノックダウンによってp38の活性化が引き起こされることを突き止め、p38の阻害剤によりCD82のノックダウンで上昇するMyoDとmyogeninの発現が抑制された。これらから、CD82はヒト骨格筋幹細胞の未分化性維持に機能しており、その維持機構としては少なくともp38抑制による筋分化制御因子の抑制を介していると考えられた。
CD82は未分化で高品質なヒト骨格筋幹胞のマーカーと考えられたため、CD82を指標に細胞を純化し免疫不全マウスの骨格筋に移植したところ、多くのヒト筋線維が観察された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件)

  • [雑誌論文] Cell surface protein profiling identifies distinctive markers of progenitor cells in human skeletal muscle2016

    • 著者名/発表者名
      Uezumi A, Nakatani M, Ikemoto-Uezumi M, Yamamoto N, Morita M, Yamaguchi A, Yamada H, Kasai T, Masuda S, Narita A, Miyagoe-Suzuki Y, Takeda S, Fukada S, Nishino I, Tsuchida K
    • 雑誌名

      Stem Cell Reports

      巻: 7 ページ: 263-278

    • DOI

      10.1016/j.stemcr.2016.07.004

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Identification, isolation and characterization of mesenchymal progenitors in mouse and human skeletal muscle2016

    • 著者名/発表者名
      Uezumi A, Kasai T, Tsuchida K
    • 雑誌名

      Methods Mol Biol

      巻: 1460 ページ: 241-253

    • DOI

      10.1007/978-1-4939-3810-0_17

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 高品質なヒト骨格筋由来幹・前駆細胞の獲得とその応用2016

    • 著者名/発表者名
      上住聡芳
    • 学会等名
      第36回日本眼薬理学会
    • 発表場所
      帝京大学(東京都・板橋区)
    • 年月日
      2016-09-10 – 2016-09-10
    • 招待講演
  • [学会発表] 筋間質の間葉系前駆細胞による骨格筋組織の維持2016

    • 著者名/発表者名
      上住聡芳
    • 学会等名
      第2回日本筋学会学術集会
    • 発表場所
      NCNP(東京都・小平市)
    • 年月日
      2016-08-06 – 2016-08-06
    • 招待講演
  • [学会発表] Roles of interstitial mesenchymal progenitors in skeletal muscle homeostasis2016

    • 著者名/発表者名
      Uezumi A
    • 学会等名
      Symposium at Stem Cell Institute in University of Minnesota Medical School“Cardiac and Skeletal Muscle Stem Cell and Regeneration”
    • 発表場所
      University of Minnesota Medical School, MN, USA
    • 年月日
      2016-08-01 – 2016-08-01
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Maintenance of skeletal muscle by interstitial mesenchymal progenitors2016

    • 著者名/発表者名
      Uezumi A
    • 学会等名
      FASEB SRC
    • 発表場所
      Keystone Resort Conference Center, CO, USA
    • 年月日
      2016-07-27 – 2016-07-27
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi