骨格筋には筋衛星細胞と呼ばれる幹細胞が存在する。筋衛星細胞はin vitroにて分化誘導すると筋管細胞を形成するが、筋管細胞は複雑で動的な骨格筋組織とは大きく異なり、骨格筋組織のモデルとして用いるには限界がある。創薬研究においては臨床有効性予測の観点からヒト細胞の利用が望まれるが、ヒト筋衛星細胞を免疫不全マウスの骨格筋に移植しヒトの筋線維を形成させることが可能である。しかし、ヒト筋衛星細胞の純化法は確立されておらず、移植効率の低さが問題となる。本研究では、ヒト筋衛星細胞の新規マーカーCD82を同定し、本マーカーを用いた細胞純化により、免疫不全マウスに対し高効率な移植を実現した。
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