研究課題/領域番号 |
15K12677
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
檜垣 靖樹 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (10228702)
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研究分担者 |
須藤 みず紀 公益財団法人明治安田厚生事業団体力医学研究所, その他部局等, 研究員(移行) (10585186)
兼岡 秀俊 福岡大学, 医学部, 教授 (20161169)
安藤 創一 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (50535630)
安野 哲彦 福岡大学, 医学部, 講師 (80551994)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ミトコンドリア / グリコーゲン |
研究実績の概要 |
昨年度のC2C12細胞を用いた知見をもとに、本年度はiPS細胞由来の筋細胞を用いて4つの知見を得た。 iPS細胞由来の筋細胞に過剰なパルミチン酸を添加し細胞内に脂肪滴を誘発できるかどうかを検証したところ、C2C12細胞と同様に細胞内に脂肪滴を作り出すことに成功した。また、パルミチン酸の添加24時間後の脂肪滴とミトコンドリアを蛍光色素で標識し、核内における局在を観察したところ、両者の局在はほぼ同じ位置にあり、それは、核周辺に集まっていることが確認できた。 iPS細胞由来の筋細胞の走行性もC2C12細胞と同じく不均一である。そこで、iPS細胞を筋細胞へ分化させる時の細胞数と分化誘導に必要な添加剤の量と添加時期をそれぞれ検討した。その結果、細胞数は3×105 cells/35mm-dishの時が多くの筋細胞を誘導させることができた。分化誘導に必要な添加剤については、分化初期段階では、半分量になるように培地に添加し、分化4日目から規定量の添加剤入りの培地で培養することで死細胞の割合を減少させ多くの細胞を筋細胞へ誘導することが可能となった。この方法により、筋細胞の走行性も均一になることが確認できた。 iPS細胞由来の筋細胞のミトコンドリア機能が評価できるかどうかも検討した。ミトコンドリアの機能評価にはSeahorse社製 細胞外フラックスアナライザーを用いた。その結果、ミトコンドリア機能の指標となる基礎呼吸量、予備呼吸量等について酸素消費量(OCR)として評価可能であることが確認できた。 C2C12細胞に物質Xを添加し筋管細胞へ分化誘導したところ、分化4日目で筋管細胞の走行性が均一になることが確認された。また、筋管細胞内のグリコーゲン貯留量が物質Xを添加していない培地で分化誘導した筋管細胞と比較すると、有意に増加していることを新たに発見した。
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