研究課題/領域番号 |
15K12679
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中村 亨 東京大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (80419473)
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研究分担者 |
山本 義春 東京大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (60251427)
金 鎭赫 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, その他部局等, 研究員 (00735095)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 心身の健康 / 育児 / 生体リズム / ストレスマネジメント |
研究実績の概要 |
本研究では、睡眠覚醒リズムを中心とする母子の生体リズムの同期・非同期性が、育児期における母親の心理状態・身体症状(抑うつ気分や育児ストレス、疲労感など)に与える影響を明らかにするとともに、それらを軽減するための適切な生活リズム調整手法の提案を目的とする。H27年度は、母子の生体リズムと母親の自覚症状との関連を解明するのに資する基盤データの集積を行うとともに、母子間の相互作用を考慮した生体リズム抽出手法の開発を行った。具体的には、産後4~12ヶ月の母子の身体活動量の連続計測(アクチグラフ計測)およびスマートフォンを用いたEcological Momentary Assessmentによる母親の日内の自覚症状・育児記録の測定を行った(健康な母子:20組、計測期間:2週間)。睡眠覚醒リズム(概日リズム)の抽出手法として、Empirical Mode Decompositionを拡張したデータ駆動型の解析手法を開発した。母子の概日リズムの位相差と自覚症状との関連をマルチレベル解析により検討した結果、概日リズムの非同期性の増加に伴う母親の自覚症状(疲労感、ストレス、抑うつ気分、不安気分)の増悪が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
調査は順調であり、研究目的を達成するのに資する知見を既に得ている。
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今後の研究の推進方策 |
母子の生体リズムと母親の自覚症状との関連性を解明するのに資する基盤データの集積を継続するとともに、母親の心身の変調に繋がるリズム要因を多角的に検証する。さらに、同定された因子に基づく適切な日常生活リズム調整手法の提案とその実証へと移行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
他のプロジェクトで使用していた計測機器が、本研究の調査時期に使用できたため、新たに機器を買い足す必要がなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、研究目的の遂行に資するデータ集積のために、調査の対象者を数、条件ともに広げる。それにより必要となる計測機器の追加購入に使用する。また、次年度以降は、本年度得られた結果の検証のため、実時間での介入研究も実施する。そのためのデータ通信カードの購入にも一部使用する。また、これまでの調査で故障した機器の修理として使用する。
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