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2015 年度 実施状況報告書

子どもの健康睡眠習慣を目指した「からだを測る」実践の効果検証とプログラムの提案

研究課題

研究課題/領域番号 15K12686
研究機関日本体育大学

研究代表者

野井 真吾  日本体育大学, 体育学部, 教授 (00366436)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード教育生理学 / 心身の健康 / 生活習慣 / 睡眠・覚醒機能 / 身体活動
研究実績の概要

本研究では,健康睡眠習慣の確立を目指した「からだを測る」実践の効果検証とその健康教育プログラムの提案を目的としている.そのための具体的な研究課題は,1)小学生,中学生の睡眠状況の実態と覚醒水準に関する諸測定値との関連の検討,2)健康睡眠習慣の確立を目指した「からだを測る」実践の創造,実践,効果検証の2点であり,平成27年度は1)に着手した.対象は首都圏のA小学校およびB小学校に在籍する小学4・5年生248名(男子116名,女子132名)であり,調査は平成27年11・12月の期間に実施された.調査・測定項目は,就床時刻,起床時刻,睡眠問題,朝食摂取状況,身体活動状況等に関する質問紙調査票による生活習慣調査,夜(9:30pm)と朝(6:30am)の唾液メラトニン濃度測定,起床時および就床時の腋窩温測定,始業前の棒反応測定,カウンター測定,1日の身体活動量(歩数)であった.分析では,最初に唾液メラトニン濃度によって対象者の睡眠状況の実態を検討した.次に,夜と朝の唾液メラトニン濃度を基に,夜>朝の者を「朝型」,夜<朝の者を「夜型」の睡眠・覚醒リズムと判定し,覚醒水準に関する腋窩温,棒反応,カウンターの諸測定値ならびに1日の総歩数との関連を検討した.その結果,1)対象者の約半数(45.2%)は,夜に比して朝の唾液メラトニン濃度が高値を示し,「夜型」の睡眠・覚醒リズムの様相を呈することが確認された.2)睡眠・覚醒リズムが夜型を示す者は,それが朝型を示す者に比して,前日の1日総歩数が有意に低値を示す様子が確認された.3)1日総歩数以外の諸測定値は,朝型,夜型の睡眠・覚醒リズムとの有意な関連性を認めなかった.
以上のことから,平成28年度に予定されている健康睡眠習慣の確立を目指した「からだを測る」実践では,身体活動量(歩数)を指標とした実践の創造,実施,効果検証が課題であると考えられた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成27年度に予定されていた研究課題は,小学生,中学生の睡眠状況の実態と覚醒水準に関する諸測定値との関連の検討であった.この内,小学生の睡眠状況と諸測定値との関連については,前日の1日総歩数が睡眠状況と有意な関連を示す様子を確認することができた.この点は,予定通りの研究成果であり,順調な進展といえる.ただし,中学生については,これを検討できなかった.この点は,研究の実施段階において,予定されていた小学校1校,中学校1校での検討が,小学校2校での検討に修正されたことによるものである.但し,対象年齢の相違といったことを除けば,予定されていた検討ができたものと考える.

今後の研究の推進方策

今後の研究の推進方策については,当初の計画に大きな変更はない.すなわち,平成28年度は,健康睡眠習慣の確立を目指した「からだを測る」実践を連携研究者とともに創造した上で,それを実践し,その効果を検証する予定である.

次年度使用額が生じた理由

平成27年度予算については,概ねそれを執行したものの,「その他」で支出した「唾液メラトニン濃度分析費」の金額確定が予算執行期限である年度末であったため,予定していたデータ解析補助に係わる「人件費」を執行することができなかった.

次年度使用額の使用計画

上記理由により執行できなかった「人件費」については,平成28年度の早い時期にデータ解析を行う予定であり,それに伴い,平成28年度予算に計上したいと考えている.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 2015

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [学会発表] 平日と休日における小学4・5年生の身体活動状況と睡眠状況の実態:加速度センサー付歩数計を用いて2016

    • 著者名/発表者名
      田中 良,鹿野晶子,久川春菜,田中綾帆,野井真吾
    • 学会等名
      日本発育発達学会第14回大会
    • 発表場所
      神戸大学百年記念館(兵庫県神戸市)
    • 年月日
      2016-03-06
  • [学会発表] T小学校における生活習慣改善に向けた取り組みの効果検証:起床時体温,棒反応測定,カウンター値を基に2016

    • 著者名/発表者名
      久川春菜,鹿野晶子,田中 良,田中綾帆,野井真吾
    • 学会等名
      日本発育発達学会第14回大会
    • 発表場所
      神戸大学百年記念館(兵庫県神戸市)
    • 年月日
      2016-03-05
  • [学会発表] Children’s health and physical activity at school: physical activities solutions for Japanese children’s “physical disorders”2015

    • 著者名/発表者名
      Noi S
    • 学会等名
      The 2015 International Conference for the 35th Anniversary of the Japanese Society of Sport Education and the 4th East Asian Alliance of Sport Pedagogy Conference
    • 発表場所
      Nippon Sport Science University, Tokyo Setagaya Campus(東京都世田谷区)
    • 年月日
      2015-09-20
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 発育発達領域と保育・教育現場とのコラボレーション的発想に基づく調査,研究の提案2015

    • 著者名/発表者名
      野井真吾
    • 学会等名
      日本体育学会第66回大会
    • 発表場所
      国士舘大学世田谷キャンパス(東京都世田谷区)
    • 年月日
      2015-08-27
    • 招待講演

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公開日: 2017-01-06  

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