研究課題/領域番号 |
15K12691
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
吉田 康一 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 健康工学研究部門, 部門付 (90358333)
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研究分担者 |
中村 強 福岡女子大学, 文理学部, 教授 (30581912)
太田 雅規 福岡女子大学, 文理学部, 教授 (70341526)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | NASH / 酸化ストレス / HODE / HETE / 運動 |
研究実績の概要 |
近年、国内外ともに罹患者が急増している非アルコール性肝障害(NASH)の発症機構を解明するとともに、発症予防、発症遅延のための方策を提供することを目標として研究を推進した。初年度は、NASH発症の動物モデルを用いて、酸化ストレスの量と質の特定を進めた。酸化ストレスの中でもNASH発症に関与するストレス種を新規バイオマーカーであるヒドロキシリノール酸(HODE)およびヒドロキシアラキドン酸(HETE)に注目した。NASHの治療方法として、一般的に食事の制御や運動負荷が用いられている。NASHモデル動物としてはSTAMマウスを用い、高脂肪飼料を与えて8週間飼育した。運動の負荷としては、回し車を用いた。運動負荷によって、AST,ALTの低下、肝臓中のTG低下、NAFLD Activity Scoreの改善が認められた。さらに、興味深いこととして、バイオマーカーのHETEが運動負荷によって顕著に低下することが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
動物実験に関して目標数を達成。また、分析も終了し、期待通りのバイオマーカー変動を見出すことができた。一方、動物実験の結果を人試験へ展開するため、文献検索など実験の計画を鋭意進めた。
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今後の研究の推進方策 |
STAMマウスを用いた動物実験を鋭意進め、バイオマーカー、特にHETEの変動追跡による発症メカニズム解明を進める。一方で、運動によるNASH改善効果を検証する。その際、運動量の正確な把握と人への応用展開の観点で条件設定を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
使用する予定であった旅費や消耗品を極力削減し、節約に努めたため。
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次年度使用額の使用計画 |
動物実験を加速度的に推進する費用として用いる。具体的には、動物購入費、分析に必要な消耗品費等である。
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