研究課題/領域番号 |
15K12693
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
東郷 史治 東京大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (90455486)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ストレス / 身体活動 / 心身の健康 / 交代制勤務 / 栄養 / 疲労 / 睡眠 |
研究実績の概要 |
大学生を中心とする健常成人10名を対象として、日常生活時の身体活動、食事、睡眠、皮膚温、眠気、疲労、気分、食欲、満腹感等に関するモニタリング調査について、計測方法、プロトコル等の確認をした。これらのモニタリングは小型で携帯性に優れた機器(加速度センサー、温度センサー、アンドロイドOSデバイス)または日誌(食事内容、睡眠時間帯)を用いて1週間にわたり経時的に実施した。具体的には、腰に装着する加速度センサーを用いて身体活動を測定、温度センサーを足首に装着し皮膚温を測定、食事、眠気、疲労、気分、食欲、満腹感等については、アンドロイドOSデバイスに質問紙調査等を実装し、日常生活下のものを把握した。なお事前に、眠気、疲労、気分、食欲、満腹感等を記録するためのアンドロイドOS用のアプリケーションを作成し、支障なく動作することを確認した。さらに、モニタリング調査後に実施する空腹時採血、唾液採取のプロトコル等を確認した。その後、日常生活モニタリング調査として、夜勤を伴う交代制勤務に従事する看護師または介護士30名と日勤のみに従事する看護師または介護士30名を対象として、日常生活時の身体活動、皮膚温、睡眠、食事、眠気、疲労、気分、食欲、満腹感等に関する同時モニタリングを1週間連続で実施した。なお、モニタリング調査開始前には習慣的な睡眠、食事、身体活動・運動、生活習慣病や心身の健康に関するアンケート調査、モニタリング調査終了後には、採血および唾液採取を実施し、脂質代謝マーカー、糖代謝マーカー、ストレスマーカー、炎症マーカーについて計測した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度の計画は、健常成人20名(30~59歳)を日常生活モニタリング調査対象者として選定し、モニタリング調査およびアンケート調査等を実施することであった。現在までに、60名を対象にデータを収集した。来年度には、平成27年度の測定参加者を対象に再度測定を実施し、横断的・縦断的にデータ解析を進める。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度の測定参加者を対象に再度、日常生活モニタリング調査を実施するとともに、データ解析をする。日常生活モニタリング調査は春または秋に交代制勤務者、日勤者各30名のデータを取得する。データ解析として、睡眠、食事、身体活動の量、質、時間帯について、日々の変動を検討する。時系列データの解析には共分散構造解析、コサイナー法、マルチレベルモデリングなどを利用し、夜勤の前、夜勤入り日、夜勤明け日での睡眠、食事、身体活動が、その後の眠気、疲労、気分、唾液マーカー、血液マーカー、体温の24時間リズムに及ぼす影響を気象条件も考慮に入れて調べる。アンケート調査のデータについて、共分散分析やロジスティック回帰などを用い、クロノタイプ、夜勤入り日、夜勤明け日、日勤日、休日の食事、睡眠、身体活動の習慣と体重や抑うつレベルの変化などとの間の関連性・因果性について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度を含めた計画全体がスムーズに実施できるよう、初年度は測定機器の購入や人件費の支出を見合わせたため。
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次年度使用額の使用計画 |
測定機器等物品費として約50万、研究補助の謝金に約120万円、論文投稿・掲載料に約30万円、消耗品等の費用として約60万円の支出を予定している。
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