加齢とともに私たちの免疫力は低下し、各種感染症が重症化したり、ワクチン応答性が低下する。高齢者で問題となる疾患の多くは、慢性炎症などの免疫学的制御の破綻と関連があることが明らかとなりつつある。一方で、慢性HIV感染者は免疫学的に老化状態にあることも明らかとなってきた。本研究では、免疫老化状態にあると考えられるHIV感染者のT細胞の性状を解析し、早期分化段階にあるT細胞が容易に活性化されやすい状態にあること、抗原刺激に対してT細胞機能に直結する遺伝子群の発現が過剰に誘導され得ることが明らかとなった。
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