有酸素運動は、糖尿病や高血圧などの生活習慣病を改善することが示されているが、その機序は明らかでない。この研究では、細胞内エネルギー物質であるATPが運動時に骨格筋から放出され、骨格筋細胞のG蛋白質共役型P2Y2受容体を刺激し、インスリンと同様にグルコース取り込みを促進することを実証した。 ATPの作用は、インスリン誘発作用に関与する機構(PI3キナーゼ-Akt経路)とは異なり、運動中に骨格筋で活性化される経路であるAMPキナーゼ活性化によって媒介された。 これらの結果は、運動中に細胞外ATPが増加し、インスリン非依存的に特異的受容体を刺激することにより耐糖能を改善することを示唆している。
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