研究課題/領域番号 |
15K12708
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研究機関 | 千葉商科大学 |
研究代表者 |
関口 雄祐 千葉商科大学, 商経学部, 准教授 (50420386)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 睡眠 / 疲労回復 |
研究実績の概要 |
半球睡眠の回復効果を評価するためには,半球睡眠が生じうる実験環境にて,被験者を測定しなければならない.しかしながら,通常の環境では,ヒトは半球睡眠を行わない(ヒトの局所睡眠は確認されているが,より大きな局在性を示す半球睡眠は記録されていない).そこで,視覚入力一部を制限することで,脳機能に対して擬似的な半球睡眠状態を生じさせ,その生理的応答の検証を試みた. 本来,疲労が蓄積する連続作業中に,一定時間の擬似半球睡眠状態が回復効果を示すことを我々は過年度の予備的実験で得ている.この結果を踏まえて,平成27年度は,連続作業中の擬似半球睡眠状態が及ぼす生理的な変化を理解することを進めてきた. 被験者は,通常生活よりも4~5時間ほど就床時刻を遅らせ,その間,視覚入力を制限しながら刺激の少ない単純連続作業を行うことを実験負荷とした.実験負荷の前後に生理指標の計測およびスタンフォード眠気尺度評価を行い,実験後の睡眠(平均して朝5時~8時)は,専用測定機器を用いて睡眠状態を記録した. 被験者は全員が男子大学生で,日常的に夜更かしがあると回答している.また,実験後の聞き取り調査では,「実験負荷そのものは大きな負担ではなかった」としながら,「実験後の睡眠後に起床するのが辛い」と回答が多い.これらと,生理指標等の結果から,本研究の実験負荷が,深夜作業の疲労軽減と若干の疲労回復に寄与できる可能性があるが,今後の研究で,データの蓄積と精査が必要である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題遂行にあたっての計測項目を確定し,被験者が自分自身で計測できる環境づくりとそのための指導などに予定を超えて時間がかかった.また,研究計画時に睡眠評価に使用を考えた睡眠計が販売中止で入手不可能になるなど,ハプニングも続き,研究計画全体の進捗は,捗々しくはない. しかしながら,本来の研究計画が足踏みしていたおかげで,脳機能に左右性が存在するということは,半球睡眠にも機能的(回復効果としての)左右性があるのではないかと洞察を深めることができ,当初計画より幅の広い実験計画を組み立てることができた.
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度末に,ようやく実験構成が完成し,被験者データの蓄積が順調に進み始めた.平成28年度以降にも,引き続き被験者数を増やすとともにデータ処理を進める.また,28年度前半には,実証実験を構築するための予備実験にとりかかり,自動車・ドライブシミュレーター・モニタリングシステムなどと計測項目の親和性を調べていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
実験プロトコルの確立が遅れ,その結果として,実験協力者(被験者)への謝金支払いが当初計画よりも少なくなったためである.
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は,計画的に被験者募集を行い,また,実験自体がスムーズに進行するように,被験者への説明をより丁寧なのものとするように心がける.
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