がんを予防する可能性のある取り組みとして、規則的な運動に着目した。先行研究では高脂肪食摂取による肥満により、肝がんの発症が増加することをマウスモデルで見出していた。この実験において、マウスに毎日規則的な運動負荷を施した結果、体重変化はないものの肥満誘導性肝がんの腫瘍形成数が有意に減少することがわかった。詳細を検討した結果、肥満により増加した腸内細菌叢が産生する、DNA損傷を起こす二次胆汁酸のデオキシコール酸の血中濃度が、規則的な運動負荷により、有意に減少することがわかった。さらに、高脂肪食摂取で減少する胆汁酸トランスポータータンパク質の発現が、運動負荷では復活し、胆汁酸の循環が改善していた。
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