本研究では,水中環境における脳循環および体循環を検証する実験設定を構築し,それぞれの関連性を明らかにするとともに,水温による影響を検証することを目的とした.実験1では,水中環境における脳循環および体循環を検証する実験設定を確立できた.また,浸水によって脳酸素化ヘモグロビン濃度の上昇が見られ,その活動には脳部位特性があることが示された.実験2の結果から,水中環境における脳酸素動態は,水温および水位によって異なることが明らかとなった.これらの結果から,水中環境における運動中の脳循環応答を考慮した安全基準の作成には,体循環,自律神経活動,体温上昇による影響を考慮することが必要であることが示唆された.
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