研究課題
自閉スペクトラム症(ASD)は多因子性の疾患で、遺伝要因とともに環境要因の重要性も指摘されている。とくに胎児の環境としての母体は、様々な化学的、物理的環境、感染や社会的環境に起因するストレスにさらされ、免疫システムを介して神経発達に必須な脳内サイトカインネットワークに影響を与える。本年度は以下の検討を行った。1)福井県永平寺町で出生した子の発達に関する前向きコホート調査参加者のうち同意が得られた母子に対し、視線計測検出装置Gazefinder®による社会性の評価を行った。その結果、母のメンタルヘルスは乳児期における子の社会性発達へ影響することが示唆された。2)さらに、オキシトシン受容体(OXTR)遺伝子多型と視線計測による社会性発達評価との関連を解析した。その結果、月齢との交互作用が見られ、発達とともに視線の選好パターンが有意に変化するものの、OXTR遺伝子多型により選好パターンの発達が異なっていることが明らかとなった。これは月齢により異なる側面の社会性が発達するが、その発達の程度はOXTR遺伝子多型によって異なる可能性を示唆された。以上の研究成果を学会報告するとともに、Scientific Reports誌に報告した(電子版:2017年5月に掲載予定)。
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すべて 雑誌論文 (16件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 16件、 謝辞記載あり 6件) 学会発表 (31件) (うち国際学会 7件、 招待講演 1件) 図書 (4件) 産業財産権 (1件)
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