研究課題
睡眠の評価としては、ゴールデンスタンダードである終夜ポリグラフや脳波に基づいた客観的な眠気の評価である睡眠潜時反復検査、 体動のカウントから睡眠 覚醒を評価するアクチグラフ 等がある。アクチグラフを除いては子どもに適応するのは難しく、このアクチ グラフは高価なために一般小児科医では使用しがた いものである。いずれにしても、睡眠不足についての評価は不可能である。プロスタ グランジンD2(PGD2)は内因性の睡眠物質であり、髄液中 にPGD2が増加すると眠気を誘発する。近年、PGD2 代謝物である tetranor-PGDM(t-PGDM)が近年測定できるよう にな った(Mohri et al. 2009) 。我々はこのPGD2量、実際には尿中 tetranor-PGDM が眠気即ち睡眠不足の指標になるのでは、との仮説をもとに睡眠時間と尿中 t-PGDM との関係を検討した。幼稚園児1名において睡眠時間と尿中PGDMは負の相 関をすることが確認できた。また、即ち、睡眠時間が短いと尿中PGDM量が増える結果となり、睡眠不足の指標となる可能性が示唆された。次に、3-6歳の幼稚園児686 人の起床時の尿を採取し、全ての検体で t-PGDMを測定した。尿中 t-PGDM量に男女差、年齢差はみとめられなかった。睡眠時間と尿中 t-PGDM濃度に逆相関をみとめる群と、認めない群の2群に別れる傾向が認められた。夜尿、抗アレルギー薬などの服役例、感冒罹患症例を除外し、再検討を行なったが、有意な傾向は認められなかった。最後に、起床時刻、就床時刻、中途覚醒、いびきの有無について検討したところ、就床時刻と負の相関が認められた。
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